1945ひろしまタイムライン」

広島を舞台に戦中から戦後の復興をを生き抜いてきた実在する人物

の日記、インタビューを元に、当時の日付と同じ日に発信していくという企画です。

 

登場人物は三人。

 

当時32歳、地元新聞の記者として戦争を報じてきた一郎さん。

729日 一体何度目なのか、連日の呉空襲。報告がなく被害の

全容が分からない。

 

結婚二年目。夫が戦争に出征している26歳のやすこさん。お腹には

初めての赤ちゃんが。

730日。今夜は戌の日の帯祝いをしていただきました。どうか

元気な赤ちゃんが生まれますように。

 

そして広島から離れ、郊外の農園に疎開していた中学一年、13歳の

男の子、シュン

84日、何と86日に広島へ発って8日に帰寮せよとのことだ

 朝飯がのどに使えるぐらいの喜びだ。」

 

三者三様に呟く戦時下のリアルに多くのフォロアーが共感。

 

特に86日。広島に原爆が投下される日が近づくにつれ、何が起

きるかを知る現代のフォロワーたちから身の安全を気に掛ける声

が急増。

  一郎「爆発したっ!、何か」

  やすこ「ものすごい光、地響き、家が揺れて」

  シュン「あれは広島か? 家、学校、父ちゃん母ちゃん」

 

 「逃げて!シュンくん行っちゃだめ!

 「お腹の赤ちゃんを守って・・・!

まるで当時と同じ時間を共有しているような感覚に

この日のツイートには合わせて7000件以上のリプライが届き

大きな反響を呼びました。

 

しかし820日のツイートを発端に空気は一転

 

それは当時13歳のシュンがつぶやいたこんなツイートでした。

 シュン「朝鮮人だ!!

     大阪駅で戦勝国となった朝鮮人の群衆が、

     列車に乗り込んでくる!

 

終戦直後の混乱の中、広島を離れ埼玉の秩父へ移動していた列車の

中でみた光景を呟きました。

 

ところが、

 

 「差別先導です!すぐに削除して!

 「これヘイトでしょ。」

 「当時の価値観だからといって書いていいの?

  (ツイートの画像ではなく、画面に文字画像)

 

と、"人種差別を助長している"として批判が続出。

当該ツイートの削除を求める声も上がりました。

率直に言うとありえないな、と

ショックだとか、怒りだとかいう前に

何をやらかしてくれたんだっていう

金村詩恩さん 28歳 (フリーライター)

埼玉で生まれ育った日本国籍の在日コリアン3世です。

なんで注釈がないんだろうな、と

NHKという非常に影響力の大きいところが

誤解を生むと言うか、

NHKだってこういう風に言ってるじゃないかということで

またこう広がりをみせていく

で、広がりを見せることによって何が起こるかというと

また差別的な言動をする人たちが当然増えてくる

「在日コリアンは差別されて当たり前なんだ」という

ですね。

そういう人たちがまた増えてくるんじゃないかという危惧

ネット上での過激な発言

その増長に繋がってしまうのではないかと不安視しています。

 

一方で、

当時の言葉までは変えられない、知ることが大事では

歴史を修正すべきじゃない!

過去の声であって今に向けた言葉じゃない

  (画面に絵と文字画像)

と、当該ツイートへの批判に真っ向から対立する意見も

 

この企画を主催したNHK広島放送局は

被爆された方々の手記やインタビュー取材に基づいて掲載した

 

とした上で

十分な説明なしに発信することで、現代の視聴者のみなさまがどの

ように受け止めるかについての配慮が不十分だったと考えていま

と説明

 

そんな中一部の報道ではシュンのモデルとされる男性と意見が食

い違っているなど問題が複雑化しています。

 

しかし、そもそも歴史、史実を伝えるために配慮はどこまで必要か

どこまで表現を変えることは許されるのか

歴史をどう伝えていくべきなのか考えます

 

<アナウンサー>

小藪さんいかがですか

<小藪>

あのこのツイッターのやろうとしていたことは

NHK側というんですか、その人らがやろうとしていたのは

別にヘイトや差別を増長しようという気持ちなんてのは、まあたぶ

んおそらくですけど、微塵もなかったと思います

<アナウンサー>

そうですね

<小藪>

今この2020年でツイッターでワーワーワーワー言うたりしている

ことすごい2020年が大変な年みたいに思ってるけど、

いやあの時もしツイッターあったらもっと無茶苦茶になってて、

今俺らが騒いでいることなんこんなことであって

あのときツイッターあったらもっとすごかったんよ、とか

戦争の経験をされている方、また広島の経験をされている方々の気

持ちなんてのを今の若者に伝えるなんて大義名分は素晴らしいと

思うですけど

ただ在日の方々に対する僕らが差別意識があった、

今もあるんじゃないかとか

今はもうない、当時もなかった、なんかいろいろありますけど、ま

そういう風なことについて

わりとがっちり向き合って、僕ら日本人全員が答えを出そうと、

メディアも含め能動的にしてこなかった部分があるというか、

そういうもう言葉はやめておこう、というか考えない、

話題にもしない

なんか言わないことでいいんだ、というか

こう腹くくって向き合ってきた、過去何十年かがないわけじゃない

ですか

<アナウンサー>

はい

<小藪>

その2020年で、

このツイッター

試みはええからいうてそのまま行こうとしたんが、

ぼくはちゃうというか

さき手順として

この在日の方々と、(首を傾げ)ま、話し合うのか

我々としてはもう今は差別の心はないので

過去のことは教訓として言わしてください

みたいなことが

じゃ、いやいやそれはあかん、とか

そんなんがあってあって答え出た状態で

このツイッターをやろう、とかならわかるんですけど

そこはなんていうんですか、をしてた部分が正直あるのに

それはいといて

おれらやろうとしていることはええことやからって、

パーーと行って そのまま

や、これは当時のことなんで、やから

なんか別の問題というか

先こっちの問題が解決した上でこっちへ行って

ツイッターに一文おれ行かなあかんかったと思うんですね

だから一個先にってもうたかなと

いいことやっているというのに

ちょっと、なんですかね、もやがかかって

<アナウンサー>

そうですね、はい

<小藪>

ミスったんかなと思います

でも気持ちはわかりますけどね。

<アナウンサー>

そうですね

まあ改めてどういう問題があったのか

どういうやりようがあったのか含めて話を進めて参ります

ではゲストをご紹介致します。

フリーライターで日本国籍の在日コリアン三世の金村詩恩さんです。

金村さん、どうぞよろしくお願いいたします。

<金村詩恩>

どうぞよろしくお願いします、金村です。

今日はお呼び頂きありがとうございます。

<アナウンサー>

お願いします。今日はVTRでもありがとうございました。

<>

ありがとうございます

<アナウンサー>

そしてもう一方、元北海道議会議員で民族問題について

発信を続けていらっしゃいます小野寺まさるさんです。

小野寺さん、どうぞよろしくお願いいたします。

<小野寺まさる>

はい、どうぞよろしくお願いいたします。

<アナウンサー>

お願いします。

ま、今回テーマを考えるにあたりまして、ま、問題の本質を考える

為に過去に実際に使われた差別表現をこの議論の中で用いる場合

がありますのであらかじめご了承いただければと思います。

では改めて今回の経緯からみていきます

佐藤さんお願いします

<佐藤>

はい、まず問題となったツイートがこちらです。

当時13歳の少年シュン君が広島から埼玉へ移動する列車の中での出

来事をツイートしたものです

朝鮮人だ!!大阪駅で戦勝国となった

朝鮮人の群衆が、列車に乗り込んてくる!

「俺たちは戦勝国民だ!敗戦国は出て行け!

圧倒的な威力と迫力。怒鳴りながら超満員の

列車の窓という窓を叩き割っていく

このツイートに対して差別を助長している

ヘイトスピーチと変わらないなど

多くの批判が寄せられました

 

<アナウンサー>

うん、まず金村さん、これどんな風にお感じになっていらっしゃい

ますか

<金村>

そうですね。えっと

この当時の時代背景を考えると

えーまあその様々な人がですね、騒擾(ソウジョウ)事件と言われている

ものをまず起こしていたので

そういったことというのはあったのかもしれない

というのが私のファーストインプレッションだったんですね。

<アナウンサー>

はい

<金村>

で、えと、ただですね。

ちょっと表記として見て頂くとわかるんですけど、

例えばその朝鮮人という言い方って、当時はあまりされていなくて

<アナウンサー>

あ、そうなんですか

<金村>

そうなんですよ、あの

勿論その一般的には朝鮮人ではなく鮮人とか例えば半島人とか

えー三国人という言い方をしてたんですよね。

私の祖父もそういう言い方をされたという話を聞きましたけども

であとやっぱり戦勝国民だと出てきますけど

当時あの在日コリアンたちって戦争が終わった後、

自分たちを解放国民だって言ったんですよ

つまりその元々日本というのが植民地にしてしまったとこから

えーアメリカに負けて私たちは解放されたんだ

だから解放国民なんだ言う風に言ってたんですね。

ですので最初にこれ見たときに

うーんちょっと違和感もあったんですよ

<アナウンサー>

なるほど

<金村>

その当時を考えると、

<アナウンサー>

うーん

<金村>

ええ、

でまあ後になってその、実際にこのモデルになった新井俊一郎さん

こういった記述を日記には残してないと聞いて

あの資料にないですね、やっぱ事を書くということは

これは歴史のやっぱ改竄に繋がってしまうんですね

<アナウンサー>

はい

<金村>

ですのでやはりそうしたことをやるっていうのは

ちょっとこ手続きの話

歴史を継承していくという趣旨にも反してしまうのではないかと思

いまして

<アナウンサー>

なるほど不用意な面が見られるということですね。

小野寺さん、いかがですか